「積み替え保管」とは?産業廃棄物の運搬を効率化するメリットや注意点を解説
産業廃棄物の処理コストや運搬の手間に頭を抱えていませんか?そこで注目されているのが「積み替え保管」です。
本記事では、積み替え保管の基礎知識やメリットはもちろん、必要な許可やマニフェスト管理などの重要ポイントをわかりやすく解説します。
違法リスクを回避しつつ廃棄物処理を効率化し、コスト削減を目指しましょう。
積み替え保管とは?

「積み替え保管」とは、排出事業場から処分場までの収集運搬工程の途中で、いったん産業廃棄物を荷下ろしし、必要に応じて別の車両に積み替えること、あるいは一時保管することを指します。
廃棄物を運搬車両に積み込むと、そのまま最終的な処分会社へ直行するのが一般的です。しかし廃棄物の発生量が少ない場合、直行した分の運搬コストがかかり、効率が悪くなることがあります。
そこで選ばれている方法が積み替え保管です。複数の廃棄物を一か所にまとめてからまとめて運ぶことで、運搬効率を大幅に向上できます。
積み替え保管は、法律上「積替え、保管を含む」という収集運搬の許可を有する業者でなければ行えない点に注意しましょう
積み替え保管を利用する4つのメリット

ここからは、積み替え保管を導入することで得られる主な4つのメリットを解説します。
運搬効率の向上
積み替え保管だと、複数の排出事業者から出る産業廃棄物を一度に集荷し、積み替え保管場所に保管してから処分場へ運べます。こうすることで運搬回数を減らし、1回の運搬で車両の最大積載量をフルに活用できるようになる点がメリットです。
たとえば、廃棄物が少量の状態で長距離を走る無駄を省き、ある程度の量がまとまった段階で一気に搬出すれば、トラックの往復回数を削減可能です。結果的に運搬にかかる時間や手間も減らせ、業務効率が飛躍的にアップします。
コスト削減
積み替え保管により運搬回数が減ると、燃料費や人件費などの運搬コストを低減可能です。排出事業者にとっても、少量の産業廃棄物を何度も直行で運ぶより、積み替え保管を活用して複数品目をまとめて運搬したほうがコストを抑えやすくなるメリットがあります。
直行ルートであれば、排出事業場から処分場への往復ごとに費用が発生するため、複数の品目を別々に運ばざるを得ないケースだとコストが高くなりがちです。そうした負担を軽減できる点が積み替え保管の大きな魅力です。
環境負荷の軽減
積み替え保管を利用すると処分場までの車両往復回数を減らせるため、結果的に排出される排気ガスの量を抑制できます。
地球環境への影響がますます注視される中、廃棄物処理においてもCO₂排出量や大気汚染を減らす工夫は重要です。運搬効率の向上と併せて、環境配慮にもつながる点は企業イメージの向上にもつながるでしょう。
効率的な分別・リサイクル促進
積み替え保管では、一時的に廃棄物を保管しながら分別作業を行うことが可能です。複数種類の廃棄物が混在している場合、積み替え保管場所で一度荷下ろしして分別することで、廃棄物ごとに適切な処理をしやすくなります。
リサイクル可能な資源を適切に選別すれば、最終的に埋め立て処分される廃棄物量を削減できます。リサイクルを促進し処分費用が抑制できれば、コスト面でもプラスに働くでしょう。
積み替え保管が必要になるケース

積み替え保管を行うと効果的なケースには、以下のような例があります。
- ・廃棄物が少量のため、直行で運ぶとコストが大きい
- ・距離が遠く、頻繁に処分場まで運搬できない
- ・他社の廃棄物とまとめて運びたい(運搬コストを最適化したい)
- ・廃棄物の量が安定せず、直行便で運んでいたのでは割に合わない
こうした状況のときは積み替え保管を有効活用することで、トラックの積載効率を上げられ、コストや時間を節約できます。
積み替え保管の活用でPCB廃棄物も効率よく処理を

積み替え保管を活用し、低濃度PCB廃棄物も効率よく処理をしませんか?
2023年7月、オオノ開發株式会社は低濃度PCB廃棄物の無害化処理に関する環境大臣認定を取得しました。高度な技術を用いて確実な無害化処理を実現しています。
分析から最終処分までを自社グループ内で一貫して行う体制を整えており、保管事業者の負担を軽減しながら迅速かつ確実な処理が可能です。
愛知県知多市と神奈川県川崎市にPCBの積替え保管場を構え、お客様の立地条件や廃棄物の種類に合わせたご提案を行っています。
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積み替え保管を利用する際の注意点

積み替え保管は便利な仕組みですが、法的な要件や手続きが厳密に定められています。
特に以下の4つのポイントについては事前に押さえておきましょう。
①積み替え保管の許可業者かどうかをチェック
積み替え保管は、許可が必要な産業廃棄物収集運搬業の形の一つです。許可証に「積替え、保管を含む」と明記されている業者でなければ、法的に積み替え保管を行えません。
排出場所で積み込んでから処理施設で降ろすまでを連続して行う直行の場合は、積み替え保管の許可は不要です。
しかし自社の拠点や保管施設でいったん荷下ろしし、別の車両に積み替える場合は「積替え保管あり」の許可が必要になるため、委託先の許可状況を必ず確認してください。
②廃棄物処理の流れを把握しておく
産業廃棄物が最終処分されるまでの責任は、最初に排出した事業者にあります。そのため積み替え保管を利用しても、誰がどの段階で廃棄物を扱うのかを正確に把握しておくことが大切です。
直行ルートの場合は以下の流れが一般的です。
排出事業場 → 収集運搬会社 → 中間処理会社 → 最終処分会社
積み替え保管を活用する場合は下記に、少なくとも2段階増えることになります。
排出事業場 → 一次収集運搬会社 → 積替保管会社 → 二次収集運搬会社 → 中間処理会社 → 最終処分会社
積み替え保管がどの場所で実施され、そこから先はどの業者が運ぶのか、契約時に確認しておきましょう。
③委託契約を確実に交わす
産業廃棄物の処理を他社に委託する場合は、必ず書面による契約が必要です。
積み替え保管の場合、一次収集運搬会社だけでなく、積み替え保管後の二次収集運搬会社など、関係する各社と適切な契約を交わす必要があります。
積み替え保管はあくまでも運搬効率を高めるための仕組みであり、中間処理のように廃棄物を処理するわけではありません。そのため廃棄物の責任はまだ排出事業者にあります。
そのため法令に基づき「誰と誰がどの範囲を委託・受託するのか」を明確にするため、必ず2者間契約を結びましょう。その際、契約書に積み替え保管を利用する旨を明記しておくことも大切です。
④マニフェストの取り扱いに注意
産業廃棄物の収集運搬時には「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」を作成し、処理が完了するまで追跡管理することが義務付けられています。
積み替え保管を利用する場合は、直行の場合とは異なり「8枚複写」の伝票を使用することが多い点に注意しましょう。
直行ルートの場合は7枚複写の伝票を使いますが、積み替え保管では一次収集運搬会社・積み替え保管業者・二次収集運搬会社など関係者が増えるため、それぞれに伝票の控えが渡るよう8枚複写が用いられます。
排出事業者自身も控えをしっかり保管し、きちんと返送されているかをチェックしましょう。
積み替え保管に関連するよくある質問

最後に、積み替え保管にまつわる代表的な疑問をQ&A形式でまとめました。導入を検討する際の参考にしてください。
積替え保管の上限は7日ですか?
産業廃棄物の積み替え保管には、「1日当たりの平均的な搬出量の7日分」を超えない範囲で保管するという基準があります。これはあくまで積み替え保管施設での話であり、排出事業場が自社敷地内で廃棄物を保管する場合には、保管量に特別な制限は設けられていません。
廃棄物を積替え保管する条件は?
収集運搬(積替え保管)を行う際は、以下のような基準を満たす必要があります。
- ・あらかじめ、積替え保管後に運搬する処分先が決められていること
- ・搬入された産業廃棄物が、保管場所で適切に保管できる量を超えないこと
- ・搬入された産業廃棄物の性状に変化が生じないうちに搬出すること
これらを確実に満たさないまま積み替え保管を行うと、法令違反となる可能性があるため注意が必要です。
積替許可とは何ですか?
積替許可とは、産業廃棄物を収集運搬する過程で一時的に留め置いたり別の車両に積み替えたりするための許可を指します。これは「産業廃棄物収集運搬業許可」の一種で、いわゆる“直行”のみの許可とは別物です。
「積替え保管あり」で許可を取得している業者は、保管施設を使用した一時的な留め置きや、車両の積み替え行為が可能となります。逆に「積替え保管なし」の許可しか持たない業者は、産業廃棄物を途中で降ろさず処分施設まで直行しなければなりません。
業者選定時には必ず許可内容を確認しましょう。
積み替え保管を取り入れて廃棄物処理をスムーズに

積み替え保管は、少量でも効率的に産業廃棄物を収集運搬できる便利な仕組みです。ただし、利用にあたっては許可や契約、マニフェストなど法的要件をしっかりと理解し、適切に運用する必要があります。
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