廃棄物の種類

産業廃棄物のばいじん(煤塵)とは。定義や処理方法、大気汚染防止法との関係について解説

ばいじん
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産業廃棄物に携わっていてばいじん(煤塵)という名前を耳にしたことがある方も多いかもしれません。

ばいじんとは物を燃やした際に発生する微粒子であり、廃棄物処理法や大気汚染防止法などの法令で細かく規定されています。

しかし、その具体的な定義や処理方法について詳しく知る機会は少ないのではないでしょうか。

そこで本記事では、ばいじんがどのような廃棄物なのか、具体的な定義や処理方法などについて解説します。

産業廃棄物のばいじんの定義

産業廃棄物のばいじん

ばいじん(煤塵)とは、物を燃やした際に発生する煙やスス、チリなどに含まれる微粒子のことです。

具体的には、「大気汚染防止法に定めるばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法に定める特定施設または産業廃棄物焼却施設において発生するばいじんであって、集じん施設によって集められたもの」と定義されています。

参考:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

ばいじんは、焼却の過程で重金属やダイオキシン類など有害物質を含有している可能性に注意が必要です。有害物質が高濃度のもの特別管理産業廃棄物の中でも特定有害産業廃棄物として厳しく規定されています。

違法な処理は環境汚染や健康被害を引き起こす恐れがあるため、適切に管理・処理することが重要です。

ばいじんと混同しやすい廃棄物に「もえがら」があります。もえがらについて詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。

もえがらとは?特別管理産業廃棄物との関係や処分方法を解説

ばいじんと粉じんとの違い

ばいじんと同様、粉じん(ふんじん)もチリやホコリなどに含まれる微粒子を指す言葉で、性質も近いものです。

両者の大きな違いは、「焼却によって生じたかどうか」という点にあります。

  • ばいじん物を燃やしたときに発生する微粒子
  • 粉じん物を破砕したり、堆積させたりしたときに舞い上がる微粒子

たとえば、石炭の燃焼によって発生する灰や煙突に付着したススは「ばいじん」に該当し、解体工事などで舞い上がる建材由来のホコリは「粉じん」に該当します。

ばいじんと大気汚染防止法

大気汚染防止法は、工場や事業場などから排出されるばい煙、粉じん、揮発性有機化合物(VOC)を規制する法律です。ばいじんは、人の健康や周辺環境に悪影響を及ぼす可能性があるため、同法ではばいじんを含む「ばい煙」を規制対象としています。

ばい煙発生施設として登録されている施設は、定められた排出基準を遵守しなければなりません。基準は施設の種類や規模、立地条件によって異なり、都市部や人口密集地域ではより厳しい排出基準が設けられる傾向があります。

万が一、基準値を超えるばいじんを排出した場合は、行政指導や罰則を受ける可能性があるため、適切な処理をしなければなりません。

ばいじんの具体例

ばいじん

ばいじんは多様な形態で発生し、焼却施設や製造業、発電所など、燃焼を伴うさまざまな現場で排出されます。

▼はいじんの具体例

  • ・バグフィルター捕集ダスト
    ・集じん器捕集ダスト
    ・煙道・煙突に付着・堆積したスス
    ・石炭灰、コークス灰
    ・製紙スラッジ焼却ダスト
    ・SUSダスト、EP灰
    ・廃砂ダスト、転炉ダスト
    ・鉄鋼ダスト、電気炉ダスト、キュポラダスト
    ・各種重金属含有ダスト など

上記のように、「灰」や「スス」から「ダスト」という名称のついたものまでさまざまですが、いずれも燃焼によって発生している点が共通しています。

自社で排出しているチリやススなどがばいじんに該当するかどうか判断が難しい場合は、管轄自治体や専門業者に確認しましょう。

ばいじんの処理方法

産業廃棄物処理場

ばいじんの処理方法は「埋め立て」「安定化処理後の埋め立て」「リサイクル」のいずれかです。

埋め立て処理

比較的有害物質の含有が少ないばいじんは、フレキシブルコンテナやドラム缶などの容器に収納し、管理型最終処分場で埋め立て処理されるのが一般的です。ただし、重金属が含まれているなど、有害性が高いばいじんの場合は、管理型最終処分場ではなく遮断型最終処分場で処理しなければならないケースがあります。

安定化処理後、埋め立て処理

これは、ばいじんに含まれる有害物質の溶出を抑えるため、安定化処理を行った上で埋め立てるという方法です。代表的な手法として、次のようなものがあります。

コンクリート固化

コンクリート固化は、ばいじんをセメントなどで固めて、コンクリート内部に有害物質を閉じ込める方法です。飛散のリスクを抑えられますが、固化によって廃棄物の体積が増え、処分場の残余容量に影響を及ぼす可能性があります。

キレート剤による固化

キレート剤による固化は、重金属などが化学的に溶出しにくい状態にした上で固化する方法です。処理後には溶出試験を行い、基準をクリアした固化物を管理型最終処分場に埋め立てることができます。

リサイクル

ばいじんに含まれる物質を有効活用するために、溶融(ようゆう)などの方法でリサイクルを行うことも可能です。

たとえば高温で溶融することで廃棄物の容積を減らし、溶融後に得られる「スラグ」を土木資材や建築資材に再利用するケースがあります。特殊固化剤や水を用いてばいじんを造粒・固化し、埋め戻し材(盛土材)として利用する方法も一般的です。

ばいじんに関連するよくある質問

よくある質問

ここでは、ばいじんに関して現場でよく寄せられる疑問とその回答を、わかりやすく解説します。

ばいじんの処理費用はいくらですか?

ばいじんの処理費用の目安は、60~100円/1kg、もしくは20,000~30,000円/1m³です。しかし収集運搬を委託する場合は別途費用がかかることもあります。また、地域やばいじんの種類・量、業者の処理方式などによって、費用が大きく変動する点に注意しましょう。正確な処理費用を知りたい方は、産業廃棄物処理業者に直接問い合わせてください。

ばいじんの人体への影響は?

ばいじん、特に浮遊粉じんは肺や気管に沈着しやすく、じん肺や気管支炎、肺水腫、喘息などの呼吸器疾患を引き起こす原因となることが指摘されている物質です。中でも粒径が2.5μm以下の「PM2.5」は肺の奥深くまで侵入しやすいことから、健康リスクが高いとされています。ばいじんに含まれる特定の金属成分や化学物質がアレルギーを誘発する可能性も指摘されており、注意が必要です。

まとめ

ばいじんは焼却などの燃焼過程で発生する産業廃棄物で、有害物質を含む場合は特別管理産業廃棄物に該当します。違法処理を行えば、健康被害や環境汚染につながるかもしれません。法令を遵守するためにも、許可を受けた産業廃棄物処理業者へ委託して適切な処理をしましょう。

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