産業廃棄物のがれき類とは。定義や処分費用、コンクリートくずとの違いについて解説
がれき類とは建設現場で発生する産業廃棄物の一種で、適切な処理が求められる重要な廃棄物です。
この記事では、がれき類の具体的な定義や分類、処分方法についてわかりやすく解説します。
がれき類の処理を適切に行うための知識を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
産業廃棄物のがれき類の定義

がれき類とは、主に建設現場で発生するコンクリートやアスファルトの破片などの建設廃棄物のことです。
廃棄物処理法では「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物」と定義されています。ただしこの正式名称が長いため、公的な書類などでも「がれき類」と呼ばれます。
環境省の通知では、がれき類を「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片、その他各種の廃材の混合物を含むものであって、もっぱら土地造成の目的となる土砂に準じた物を除くものであること。ただし、地下鉄の工事現場等から排出される含水率が高く、粒子の微細なでい状のものにあっては、無機性の汚泥として取り扱うものであること。」と示しています。
参考:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について」
この定義の「工作物」とは、地面に固定されている家屋・ビル・道路・鉄道など、人為的に建造された構造物一般のことです。
「新築、改築または除去」とは、建設現場で行われる新築や改築、増築、解体工事などが含まれます。
これらの工事によって排出されたコンクリート破片やアスファルト破片などはすべてがれき類です。
同じコンクリート片でも工作物に該当しない製造品の破砕くずなどはがれき類にあたらない点に注意しましょう。
がれき類の種類と具体例

建設現場で発生するがれき類には次のようなものがあります。
- ●コンクリートの破片(コンクリートがら):建物や構造物の解体・改築工事などによって発生したコンクリート片
- ●アスファルトの破片(アスファルトがら):道路の補修工事などに伴って生じたアスファルトの破片
- ●レンガ破片:煉瓦造建築物の改築や解体において生じる破片
たとえば線路の砂利は鉄道という工作物に付随しているためがれき類として扱われます。
反対に、製造業者が製品製造過程で排出したコンクリート片は工作物とは無関係なので、がれき類には該当しません。このような場合は「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」に分類される点に注意しましょう。
防水アスファルトやアスファルト乳剤は廃油扱いとなることも覚えておきましょう。
がれき類とコンクリートくずの違い

がれき類とコンクリートくずは、どちらもコンクリート破片を含む産業廃棄物ですが、発生した場所によって分類が変わります。
建設現場や解体工事などの「工作物の新築、改築又は除去」に伴って生じたコンクリート破片は「がれき類」です。一方、製造過程で生じるコンクリートブロックくずやインターロッキングくず、レンガくずなどは「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」に当たり、がれき類とは区別されます。
なお、コンクリートくずの分類にはアスファルト・レンガくず、廃石膏ボード、セメントくず、モルタルくず、スレートくず、陶磁器くずなども含まれます。
がれき類かコンクリートくずかを判別するには、廃棄物がどこでどのように排出されたかをチェックしましょう。
コンクリートくずについて詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
産業廃棄物のガラスくずとは。陶磁器くず・コンクリートくずとの違いと処理方法を解説
がれき類の処理方法

がれき類は破砕処理されて安定型最終処分場に埋立処分される場合もありますが、実際には約9割がリサイクルに回されているのが現状です。
再生資源として再利用するルートが確立されていることが大きな特徴といえます。
リサイクル
環境省の調査によれば、産業廃棄物の中でもがれき類はもっとも再生利用率が高く、令和4年度の速報値では96.4%の再生率を誇ります。
参考:環境省「令和5年度事業産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 令和4年度速報値」
この高い再生率を支えているのが、次のようなリサイクル方法です。
再生路盤材
道路を舗装する際に必要となる路盤材(基礎)として、がれき類を破砕・選別し、粒の大きさをおおむね40㎜程度にそろえた再生路盤材が活用されています。
コンクリートがらだけでなくアスファルトがらなども混ぜ、道路の路盤を構築する素材として利用できる点がメリットです。
再生砕石(リサイクル砲石)
建築物の基礎などに敷かれる砕石は、採石場から調達される天然砕石が一般的です。しかし解体現場などから発生したコンクリートを破砕・加工し、再生砕石(リサイクル砲石)として利用することもできます。
アスファルト合材・再生骨材
アスファルト合材や再生骨材とは、アスファルトやコンクリートを作る際に必要となる砂や砂利などを指します。アスファルト舗装の原料には、石粉や砂、アスファルトを混ぜ合わせたものが使われますが、ここにがれき類を粉砕した再生材を加え、舗装材やコンクリートの材料として再利用するケースが増えています。
がれき類の処分費用の相場

がれき類の処分費用は、1kgあたり30~80円程度、または1m³あたり3,000~12,000円程度が相場とされています。
ただし、排出する地域や業者によって料金は前後する点に注意しましょう。収集運搬を委託する場合は別途費用がかかります。
実際の見積もりでは、廃棄物の量や成分にも左右されるため、産業廃棄物処理業者に問い合わせて正確な料金を確認してください。
がれき類に関連するよくある質問

ここからは、がれき類の取り扱いにおいてよく寄せられる質問をについて解説します。
モルタルはがれき類に該当しますか?
建物の解体工事などで発生するモルタルは、建設工事によって排出されたコンクリート系廃棄物の一種です。そのため、産業廃棄物としてはがれき類に該当します。必ず適切な産業廃棄物処理業者へ委託してください。
ALCはがれき類に分類されますか?
ALC(軽量気泡コンクリート)についても、建築現場から排出されれば「がれき類」に該当します。一方、生産段階で生じるALCくずは「ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものを除く)及び陶磁器くず」に該当するので、発生状況によって分類が異なる点に留意しましょう。
ガラ陶とがれきの違いは何ですか?
「ガラ陶」とは「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」の略称で、工作物の工事に伴わないコンクリートくずなどが含まれます。製品の製造工程などで排出された場合が典型的な事例です。
一方「がれき類」は、建設工事や解体工事などに伴って発生する廃棄物であり、法律で「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた不要物」として定義されています。
つまり、発生元となる工事の有無や工作物かどうかによって「ガラ陶」と「がれき類」は分類がわかれます。
まとめ
がれき類は、建設現場などで生じる代表的な産業廃棄物です。コンクリートやアスファルトの破片などを適切に処理しなければ、環境面や法令順守の観点で大きなリスクとなります。
一方で、再生利用率が非常に高いため、適切なリサイクルルートを活用することで資源を有効に活用できる点も特徴です。
がれき類の処理は、産業廃棄物処理業の許可を得た専門業者へ委託し、法令を遵守した上で安全かつ効率的に進めましょう。
