PCB廃棄物関連

PCB含有塗膜(廃塗膜・塗膜くず)とは?調査や処理の流れ・期限を解説

PCB含有塗膜
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1970年代まで使用されていた塗料には、PCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれている可能性があることをご存じでしょうか。

こうしたPCB含有塗膜は法律で厳格な処理期限が定められており、放置すると企業のコンプライアンスリスクにつながる恐れがあります。

本記事ではPCB含有塗膜の概要、処理の流れや費用、期限までに処分するためのポイントをまとめました。早めの対策が大切な理由も併せて解説しているので、ぜひ参考にしてください。

PCB含有塗膜とは

PCB含有塗膜とは

PCB含有塗膜とは、PCB(ポリ塩化ビフェニル)が添加されている塗膜のことです。廃棄物として排出されたPCB含有塗膜は、PCB廃棄物として特別管理産業廃棄物に分類されており、適切な保管や処分が必要です。

ここでPCB含有塗膜が生じた背景と現状を解説します。

PCB含有塗膜が生じた背景

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、可塑剤として塗料に添加されていた歴史があります。特に1960年代半ばから1970年代半ばにかけて、塩化ゴム系の塗料に多く使用されていました。

この塗料が使用された主な対象は鋼構造物であり、橋梁鉄道の高架橋トンネルの出入口部、さらには水門ダムなど、屋外の重要なインフラ施設が多く含まれています。

このような施設に塗布された塗膜は経年劣化によりPCBが放出される恐れがあります。だからこそPCB含有塗膜の早急な処理が求められているのです。

PCB含有塗料の製造は1972年に中止されたことを受け、以降は新たなPCB塗料の使用は全面的に禁止されました。これ以前に塗装された施設においては、まだPCB含有塗膜が残っている可能性があり、早急な調査と処理が必要です。

PCB含有塗膜調査や処理における現状

PCB自体は無色透明で油状の物質であり、塗膜中だと樹脂に溶け込んでいます。経年劣化により剥がれたり粉化した塗膜片にもPCBが残っていると、周囲の環境の汚染を引き起こすリスクがあり、放置は非常に危険です。

PCB含有塗膜は一見して通常の古い塗膜と変わらないため、含有に気付かないことも珍しくありません。しかし微量でもPCBが含まれていれば、特別管理産業廃棄物として厳密な取り扱いが必要です。

これに対処するため、環境省はPCB特別措置法に基づいて、PCB廃棄物の処理を義務付けています。PCB含有塗膜の調査に関しては現在、環境省が定めたガイドラインに基づき、各自治体や民間事業者が進めています。

PCB含有塗膜の調査について詳しく知りたい方は、以下の環境省のサイトをご確認ください。

参考:「PCB含有塗膜調査について」環境省

PCB含有塗膜の処理期限

迫る処理期限

PCB含有塗膜はPCB濃度によって処理期限が異なります。

特に低濃度PCB廃棄物として分類されたものは、2027年3月31日までに適正処理を完了させ無ければなりません。高濃度PCB廃棄物の処理期限はすでに終了しています。

低濃度PCB含有塗膜の処理期限は迫っています。法定の期限内に対応するため、早めに状況を確認しませんか?

まずは以下のページから、お気軽にお問い合わせください。

廃塗膜・塗膜くずのPCB濃度による区分

PCB含有塗膜はPCB濃度によって、低濃度PCB廃棄物と高濃度PCB廃棄物に分けられます。

低濃度PCB廃棄物は、0.5mg/kgを超えて、5,000mg/kg未満の濃度を持つ塗膜を指し、高濃度PCB廃棄物5,000mg/kgを超えるものです。

多くのPCB含有塗膜は0.5mg/kg程度の微量のPCBを含むものが多く、低濃度PCB廃棄物として処理されています。高濃度PCB廃棄物に該当する塗膜はあまり多くありません。

PCB含有塗膜の調査対象施設

PCB含有塗膜の調査対象施設

PCB含有塗膜の調査は、国の機関、自治体、民間事業者がそれぞれ責任を持って行わなければなりません。調査責任についても具体的に以下のように定められています。

  • 国の機関:国が管理する施設を調査し、環境省から情報提供を受ける
  • 自治体:自治体が所有・管理する施設を調査し、結果をまとめる
  • 民間事業者:業界団体を通じて、所有する施設の調査を行う

調査対象となる施設は、主に1966年から1974年に建設または塗装された屋外の鋼構造物です。具体的には以下の施設が挙げられます。

  • 橋梁(道路橋、鉄道橋)
  • 洞門(トンネルの出入口部分)
  • 排水機場、ダム、水門
  • 鋼製タンク(石油・ガス貯蔵タンク)
  • 船舶(PCB含有の可能性があるもの)

PCB含有塗膜の判別方法

PCB含有塗膜を判別する流れは、事前調査から始まり、塗膜のサンプリング、分析試験を経て結果の判定となります。塗膜がPCBを含んでいるかどうかを確定した上で、その後の処理方法を決定しなければなりません。ここでPCB含有塗膜の判別方法を詳しく見てみましょう。

事前調査

設計図

事前調査では対象となる構造物の情報を確認します。特に注意が必要なのは、1966年~1974年に建設または塗装された屋外の鋼構造物(橋梁やタンクなど)です。これらはPCB含有塗料が使用されている可能性が高いため、重点的に調査をします。

調査では、当時の設計図書や施工記録、塗料の仕様書を確認し、PCBを可塑剤とする塩化ゴム系塗料(例:ラバマリン、ラバックスシリーズなど)が使用されたかどうかを確認します。記録上でPCB含有塗料の使用が明確に否定できれば、その時点で調査は終了です。

塗膜のサンプリング

PCB廃棄物のサンプリング

書類などの記録でPCB含有塗膜の使用が確認できない場合、環境省が定めた通知に従って適切な方法で塗膜のサンプリングを行います。

塗膜片を剥がして採取する作業は、乾式方法(チップを削り取る方法)などが一般的です。この際、他の有害物質(鉛やクロムなど)が含まれている可能性もあるため、慎重に行う必要があります。サンプリング作業では、粉じんが飛散しないよう湿式作業や養生を施し、防護具を着用して作業しなければなりません。

このような塗膜のサンプリングから分析試験までの本格的な作業は、専門業者に依頼する必要があります。

分析試験

PCB廃棄物の分析試験

サンプリングで採取した試料は、専門の分析機関でPCB含有量を分析します。これにより、塗膜中にPCBが含まれているかどうかが定量的に判別可能です。日本では、環境省が定めた「低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法」に基づいて行われます。

分析の結果、PCB濃度が確認された場合、その結果に応じて該当する塗膜の補修・撤去計画を立て、廃棄物として処理する手続きを進めなければなりません。PCB濃度が高い場合は処理方法が変わることもあるため、しっかりと対応を考えることが重要です。

分析結果に基づき、必要な処理手続きを進める際には専門業者に相談することをおすすめします。

オオノ開發株式会社では調査から処理、運搬まで、PCB含有塗膜の対応を一括で行うことが可能です。

面倒な手続きもまとめて解決できるので、まずは以下から詳細をご確認ください。

低濃度PCB含有の塗膜(廃塗膜・塗膜くず)を処分する流れ

低濃度PCBが含まれていると判別された塗膜については専門業者による除去作業が必要です。除去作業は労働安全衛生法や関連法令に従って行う必要があるため、専門業者でないと対応できません。

除去した塗膜くずは、都道府県などに届出を行い、定められた方法で適切に保管する必要があります。その後、国の認定または都道府県の許可を受けた低濃度PCB処理業者に収集・運搬を依頼し、最終処分を行わなければなりません。

作業員の様子

オオノ開發株式会社では、PCB含有塗膜付の筐体ごと処理も可能です。

まずは無料でお問い合わせいただければ、専門スタッフがスムーズにご案内致します。

ぜひ以下から詳細をご確認ください。

PCB含有塗膜の処理費用

処理費用

PCB含有塗膜の処理費用を正確な処理費用を算出するためには、事前に見積もりを依頼しなければなりません

処理費用はPCBの濃度、塗膜の重量、処理方法、処理業者や施設など、さまざまな要因によって変動します。また処理にかかる費用とは別に、機器の運搬費や濃度分析にかかる分析費用も発生することがあり、一概にいくらだとは言えません。費用が心配な方は早めに見積もりを依頼しましょう。

PCB含有塗膜に関連するよくある質問

Q&A

ここではPCB含有塗膜についてよく寄せられる質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。

PCBが塗膜に含まれていた年代は?

PCBを含む塗料は1960年代~1970年代に使用されていました。特に1966年から1972年の間に製造された塩化ゴム系塗料には、塗料の安定性や耐久性、防食性を高める目的でPCBが使用されていたことがわかっています。その後、1974年にPCBの使用は禁止されました。

PCB塗膜の保管場所は?

PCB含有塗膜は、低濃度PCB廃棄物に該当する場合、特別管理産業廃棄物として決められた基準にしたがって保管しなければなりません。詳しくは以下のように定められています。

特別管理産業廃棄物保管基準(PCB廃棄物の場合)

  • ・保管場所の周辺に囲いが設けられていること
    ・見やすい箇所に特別管理産業廃棄物の保管場所である旨などを表示した掲示板が設けられていること
    ・PCB廃棄物の飛散・流出・地下浸透・悪臭発生の防止のための措置が講じられていること
    ・保管場所にネズミが生息し、及び蚊、はえその他の害虫が発生しないようにすること
    ・PCB廃棄物に他の物が混入する恐れのないように仕切りを設ける等必要な措置が講じられていること
    ・PCBの揮発防止及びPCB廃棄物が高温にさらされないために必要な措置が講じられていること
    ・PCB廃棄物の腐食の防止のために必要な措置が講じられていること

出典:「低濃度PCB使用機器及び廃棄物の保管」環境省

低濃度PCB含有の塗膜・塗膜くずは早めに処分を!

オオノ開發PCB建屋外観

低濃度PCB廃棄物であるPCB含有塗膜は、2027年3月31日までに適正処分を行わなければなりません。

期限を過ぎてしまうと処分可能な施設が限られたり、行政から指導や罰則を受ける恐れがあります。また、放置すると企業のコンプライアンスリスクが高まるだけでなく、周辺環境への影響や周辺住民への不安も招く可能性もあるため、早めに対応しましょう。

オオノ開發株式会社環境大臣認定を取得し、日本最大規模の保管・処理施設を備えた廃棄物処理会社として、分析から処分完了までの全工程をワンストップでサポートしています。

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